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上司や先輩と対等な環境で
思い切り研究できる
グリッドイノベーション研究本部
ネットワーク技術研究部門

土屋 弘昌

大学時代に取り組んだこと 音声信号処理、超広帯域無線の電波伝搬特性の測定、電波到来方法の推定、モデル化の研究
入所してから取り組んだテーマ
  • スマートメータ用電波伝搬モデルの構築と電波伝搬エリア設計支援ツールの開発
  • 木造建築、鉄筋コンクリート建築の屋内電波伝搬特性の測定評価
  • 長距離無線LANを使った臨時回線の構築、通信特性の測定評価
  • 電気所環境内における各種電波伝搬特性の測定評価

研究のやりがい

仕事の役立つ先が見えている

現在、日本版スマートグリッドの構築が進められていますが、その中核技術の一つとなるのが各家庭に設置されるスマートメータです。各スマートメータが相互に通信し、集約局を通じて電力会社と需要家の間をつないで電力使用量をはじめとするデータのやり取りを行います。その際の通信における電波伝搬特性を解明し、集約局の置局設計の支援策を研究しています。大学院でも今と同じように電波を研究していましたが、同じ研究活動でも、大学と研究所では、内容はかなり異なります。学生時代は、「自分の研究成果がどう活かされるのか見えにくい」というもどかしさがありました。一方こちらでは、自分の研究が近い将来に電力スマートメータの通信回線を担って大勢の人に役立つことがはっきり見えています。

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現在の研究活動

電波伝搬損失をシミュレーションする

集合住宅では、スマートメータが金属扉とコンクリート壁等に囲まれたパイプシャフト(上下水道・電気・ガス等の設備用の配管を収納するスペース)内に設置される場合があります。すると金属扉とコンクリート壁、その他シャフト内の遮蔽物の影響により電波伝搬損失が大きくなり、隣接するパイプシャフト内に設置されたメータ間においても通信ができないことが懸念されています。そうした電波伝搬損失を計算機でシミュレーションし、既存の屋内伝搬モデルと組み合わせながら評価しています。最終的には「こういうパイプシャフトであれば、どんな損失が見込まれるか」がシミュレーションでき、スマートメータ設置の現場に役に立ててもらえる技術につなげたいと思っています。

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上司・先輩との関係

お互いが研究者として対等

自分は電波が専門ですが、研究所には通信ネットワーク、光ファイバ通信、情報セキュリティ等に強い先輩たちがいて、協力できる点はお互いに積極的に協力しあっています。そうした先輩たちとの関係は、上下の関係ではなく、研究者として対等の関係です。なぜそうなるかというとそれぞれが自身の専門分野をバックボーンに、メインの担当者として各研究テーマに取り組んでいるからではないでしょうか。
上司との関係も、堅苦しさはありません。先輩との関係と同様で上司と私も専門分野が違いますから、電波の専門家として私がやることに敬意を払ってくれるのを感じます。いつも「言ったほうが勝ちだから」と後押ししてくれるので、自分の意見を遠慮なく出しながら研究を進めています。

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次なるチャレンジ

通信全体を知る研究者に

大学時代から一貫して電波の研究に取り組んできましたが、「これからは電波とは違うところに走ってみたいな」という気持ちがあります。具体的なターゲットは、通信ネットワーク、情報といった領域です。データの通信機能は、階層構造のモデルとして捉えられていますが、今の私が研究で取り組んでいるのは、最も下の階層に位置する物理層です。上の階層、つまりデータリンク~アプリケーション層を学ぶことで、「通信全体を知る研究者」になりたいです。現在電気事業では、新サービスを創出することが求められています。通信全体を知る研究者になることで、顧客ニーズの多様化に対応していきたいと考えています。

RESEARCH 現在取り組んでいる研究内容
  • 計算機シミュレーションによる集合住宅パイプシャフト内スマートメータの電波伝搬損失の推定評価
グリッドイノベーション研究本部 電力中央研究所の主要な研究成果や事業活動等について
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