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最先端かつ刺激的な環境で
社会貢献を果たしていく
原子力リスク研究センター
リスク評価研究チーム

斎藤 海希

大学時代に取り組んだこと イギリス湖水地方におけるセシウム137の分布調査や 原子放電ランプのレーザー分光法
入所してから取り組んだテーマ
  • プールスクラビング時の気液二相流動に対するガス種の影響評価
  • 多視点カメラを用いた気液二相流動計測手法の開発
  • 機械学習を用いた気液二相流動解析手法の開発
  • レーザーを用いたエアロゾル計測手法開発

入所した理由

実践研究と基礎研究の両立ができる

私は海外の大学で放射性物質に関する研究をしていました。扱っているテーマが近いこともあって、周囲から福島の原発事故について聞かれることも多く、自分なりに調べてみたことがあります。しかし、情報が交錯していて、「何が正しいかわからない」状態に陥ってしまいました。このまま中途半端に調べてもわからないままだと思い、その業界に進んでみようと決心しました。電中研を選んだのは、「日本の現状」を知るために、日本の研究機関で働きたいと考えたからです。また、実践的な研究と基礎的な研究を両立していることも魅力でした。研究機関としては当然、成果につながりやすく効果も見えやすい実践的な研究に取り組まなければいけません。しかし私は、「科学の本質」を探る基礎研究も好きなので、可能な限り続けていきたいと思っています。原子力の安心・安全な活用という社会貢献と、好奇心の追求を両立できる環境だったので電中研を選びました。

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研究内容

原子力事故の発生防止と影響を抑えるためのリスク評価

入所当時から、原子炉システム・機器・構造物・人の動きといったあらゆる観点から原子力施設等の事故をシミュレーションする「確率論的リスク評価」の研究に取り組んでいます。その中で私が担当しているのは、原子力発電所の過酷事故時における、放射性物質の環境への放出量を軽減する対策の評価等です。簡単に言うと、事故が起きたときに放射性物質が「どれぐらい」「どのように」放出されて、環境にどのような影響を及ぼすか、といったリスクの解析です。過酷事故時の放射性物質のふるまいは、現状は知見が十分ではない部分が多くあります。そのように不確実性を伴う現象をモデル化し、種々の事故シナリオを想定してリスクを数値化し、脆弱点を特定していきます。そして、事故の発生防止と影響緩和につながる現実的な対策を練り、安全向上につながるような研究を行っています。

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研究環境

リラックスしながら研究を進められる

電中研は世界中で誰もやったことがないような実験をしていたり、国内外の学会で発表して世界中の研究者からコメントをもらったりと、最先端かつ刺激的な環境です。それに加えて、組織の風土や雰囲気といった研究以外の分野でも、充実した環境であることには驚きました。たとえば、多くの方が部活や同好会に所属していて、日々の活動でリラックスしながら研究を行っています。私自身もテニス部とボードゲーム同好会に所属していて、他部署の方々と交流を楽しむことも多いです。ボードゲーム同好会では、サイコロを使ったゲームで確率論が絡んでくるところがあったり、カードゲームでギャンブル要素を楽しみながらも戦略について論じたりと、研究者目線で白熱する場面も多いです。雑談しながらお互いの研究内容について議論することもあるのは、電中研らしくユニークな環境だと思います。

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将来の目標

不確実さに向き合い続ける「使命」

今後の目標は、大きく2つの段階に分けられます。第一段階は、現存の原子力発電所のリスクを適切に評価できるようにすること。第二段階は、想定外のリスクに対しても、何かしらの対処ができるようにすることです。東日本大震災での津波は、設計時に想定した規模を超えたものでした。もし、大きな津波が来るリスクを十分評価できていれば、津波による炉心損傷を回避できたかもしれません。「わかること」だけでなく「わからないこと」を把握しているだけでも意義がありますし、その不確実さと、見逃しているかもしれないリスクに向き合うことこそ、確率論的リスク評価の使命だと考えています。原子力発電のリスクを下げて安全に運用していくという最終的な目的を見据えながら日々の研究に取り組んでいき、正しい情報を世界中に発信できるような研究者になりたいと思っています。

RESEARCH 現在取り組んでいる研究内容
  • プールスクラビング時の気液二相流動に対するガス種の影響評価
  • 多視点カメラを用いた気液二相流動計測手法の開発
  • 機械学習を用いた気液二相流動解析手法の開発
  • レーザーを用いたエアロゾル計測手法開発
原子力リスク研究センター 電力中央研究所の主要な研究成果や事業活動等について
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