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女性職員座談会

Members

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    IZUMI TSUCHIYA 土屋 いずみ

    • 総務グループ
    • 労務担当
    • 上席

    〈 2001年入所 〉 業務内容:働き方改革、DE&I、シニア人材活躍推進、賃金・評価制度の運用、労働組合対応、心身の健康の維持増進に関する取り組み

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    HIROMI KUBOTA 窪田 ひろみ

    • サステナブルシステム研究本部
    • 気象・流体科学研究部門
    • 研究推進マネージャー
      上席研究員

    〈 1997年入所 〉 研究テーマ:CCUS、地熱など低炭素技術のリスクコミュニケーションに関する研究

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    MIKI SAITO 斎藤 海希

    • 原子力リスク研究センター
    • リスク評価研究チーム
    • 主任研究員

    〈 2018年入所 〉 研究テーマ:原子力発電所における過酷事故を対象としたリスク評価に関する研究

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    YUI FUJIHARA 藤原 優衣

    • エネルギートランスフォーメーション研究本部
    • エネルギー化学部門
    • 主任研究員

    〈 2020年入所 〉 研究テーマ:蓄電池の劣化評価・評価方法の開発に関する研究

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電中研での活躍には、
性別も年齢も関係ない。

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土屋 今回の座談会は、女性活躍や女性の働きやすさがテーマになっていますが、人事の担当としてまずお伝えしたいのは、「女性だけ」ではなく、職員全員が自分らしく安心して活躍できる環境であるべきだということです。これは私だけでなく、電中研全体としての考え方。このことが実は女性が活躍しやすい環境につながっていくと思っています。女性に対する制度や労働環境に関しても、「誰もが」という前提にのっとりライフステージに対応できるような施策・制度を充実させています。

藤原 私はまさに、その「誰もが働きやすい」という側面に惹かれて入社しました。ライフステージの変化に合わせて長く働けるのかどうか?と考えたときに、やはり女性の少ない職場は前例が少なく、環境が十分ではないことが多い。その点電中研では男女ともにイキイキと働いていて魅力的でした。

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斎藤 性別だけでなく年齢に関わらず活躍できる職場でもありますよね。自分のやりたいことをきちんと説明できれば基本的にノーと言われることはなく、「若いうちはどんどんチャレンジするべきだ」というアドバイスを常にいただいています。自分のアイデアを確かめる研究から、大規模プロジェクトまで、若手のうちからさまざまな挑戦ができる場で、のびのびと研究に取り組めていますね。

藤原 それはすごく感じます。例えば研究に必要な設備を使う際も、「先輩が優先」みたいな風潮は全くなく、平等です。

土屋 電中研は「上」ではなく「未来」を目指す集団。出世や上下関係に執着する人は少なく、真面目で温厚な方が多いですね。

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窪田 あとは、質の高い成果を出せるよう、必要な研究設備などリソースを十分整備し、皆で共有して大事に使い、維持管理もしっかりしていると思います。

藤原 先ほど斎藤さんから挑戦の話が出ましたが、窪田さんも長期海外出張や社会人ドクターなどに挑戦されたとお聞きしました。

窪田 そうなんです。実は電中研に入所した決め手もこの長期国外出張に行けるチャンスがある、海外の研究者とも連携して学際的な研究ができるという点でした。とはいえ私の研究分野は海外とのコネクションが少なく、受け入れ先を探したり、所内予算を確保したり、実施時期の調整など出張が承認されるまでのプロセスは大変でしたが、現地でのつながりが新たな仕事や経験につながったりもしています。博士の学位は電中研の学位取得制度を活用しました。電中研の成果をある程度を蓄積し、育児が少し落ち着いてから、業務しながら3年間通学して取得しました。

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キャリアを中断しないような
制度を設計する。

土屋 電中研ではさまざまな制度や施策を整えていますが、その裏側には常に職員の声があります。さまざまな方にアンケートやヒアリングを行い要望や悩みをキャッチアップして施策に反映しています。この風土は昔からあるようで、1964年に、社会ではまだ一般的ではなかった完全週休2日制を導入したり、1991年には、ここ数年で当たり前になったフレックスタイム制を導入、2015年にはコロナ前でありながら、論文執筆などの研究活動を効率的・集中的に行うことを想定し、在宅勤務制度を採用しました。2024年からは、研究職の一部を対象に時間と仕事の進め方の裁量を職員に委ね、自律的・主体的に働くことができる裁量労働制を試行的に導入しています。

藤原 最近も、「育児・介護休職中の一時勤務を認める制度」ができましたよね。あれにはすごく驚きました。

土屋 そうなんです。これは育児休職中の女性研究者の声をきっかけに、検討を始めた制度でした。育児・介護休職中であっても研究所が必要と判断し本人と同意した場合には、その分の給与が支払われます。国によって産後パパ育休制度が義務化された2022年10月に、併せて導入しました。特に専門性の高い研究職の場合、その人しか対応できない業務もあります。キャリアや研究活動が中断してしまうことのないよう、男女関わらず一時勤務を認めてほしいとの要望は強かったですね。

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窪田 個人的に研究テーマは社会の情勢やニーズに応じて変遷するものだと思います。「この研究はこのタイミングで取り組むのがベスト!」「得られた成果をできる限り早く発表したい」という瞬間は結構あったりします。育休中は特にそういったことが発生しやすい。だからこそ、必要に応じて一時勤務を活用し、適切なタイミングで研究できるようになったのは非常にありがたいことですね。

斎藤 研究者の可能性を阻害しない為の制度でいうと、ワーキングネームが使えることも嬉しいです。これは結婚して姓が変わっても旧姓を名乗って働き続ける制度。研究者にとって、「名前」は非常に重要です。論文や発表会、出版物などにはすべて名前が載りますし、名前と研究成果を紐づけて覚えてもらうことも多いです。これまで積み上げたキャリアや知名度・認知度に影響がないよう、旧姓の斎藤を名乗り続けることができています。

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窪田 あと、福利厚生も電中研を語る上で欠かせないですね。電中研は英語学習やビジネススキルなど学びの機会を支援する自己啓発制度が整っています。私は育休明けの研究の方向性に悩んでいたため、二人目の子どもの産休・育休中に、その制度を使って「キャリアカウンセラー」「ファイナンシャルプランナー」コースを受講しました。これらの知見を得たことで、今後のキャリア形成の熟考と家計の見直しにもつながり、大変有意義でした。また、その後の環境リスクマネジメント研究や、ヒアリング調査にも大いに役立っています。

藤原 子育てと勉強の両立は簡単ではないように感じますが、どのように進めていったのですか?

窪田 食材宅配で買物時間を減らす他、福利厚生が役立ちました。電中研には、付与されたポイント(年間7万円相当)の範囲内で、予め用意された福利厚生サービスの中から好きなメニューを選択し利用できるカフェテリアプランが整ってています。例えば、育児・介護メニューではベビーシッターや家事の外注サービスにも適用可能です。その他、自己開発、フィットネス、マッサージやエステ、予防接種などにも利用可能です。適宜、家事の負担を減らしたりリフレッシュして、自分の時間と健康を維持しました。

職員の幸福も組織の成長も
両輪で叶う組織へ。

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藤原 せっかくライフステージと研究を充実させてきた先輩方が集まっているので、聞いてみたいことがあります。皆さんは、妊娠・出産の時の体調の変化に合わせてどのように仕事を調整していましたか?最近結婚をしたので、ぜひ参考にさせていただきたいです。

斎藤 私が妊娠を経験した時期はコロナ禍ということもあり、基本的には在宅勤務で働いていました。通勤時の負担もないですし、体調に合わせて食事や休憩を取ることができる。打ち合わせや学会もオンラインで参加可能でしたので、負担のない姿勢や環境で働くことができました。産後の現在でも、必要に応じて在宅勤務とフレックス制度を活用しながら研究と育児のバランスをとることができています。

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土屋 私も出産を経験していますが、制度活用に加えて、周囲に要望を伝えることも大切だなと感じます。「つわりや貧血で通勤に不安があります」「出張は減らしていきたいです」など素直に状況と気持ちを伝えれば管理職の方は理解してくれます。自分自身で計画を立ててやりくりすることも重要ですが、周囲に頼ることもできる職場です。また、女性自身だけでなく、男性が配偶者の妊娠に伴う体調不良に向き合うこともありますから、そこも声を上げていいんですよと所内には伝えています。

斎藤 私からも一つお伺いしたいことがあります。産休・育休を取得することで、周りと比べ研究の進捗が滞る可能性があるかと思いますが、そうした影響は感じませんでしたか?

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窪田 私はなるべく育児をしたかったのでそこまで気にしませんでした。特に研究系は取り組む分野や個人の進め方によって成果が出る時期や頻度が異なるので、周りとの差が明確化されない気もします。論文を出せない期間が一時的にあったとしても、それで収入が大きく下がることは基本的にありませんし、復帰後や子育てがひと段落後にまた研究業務に注力できると思います。

土屋 以前、女性幹部職を対象にアンケートを行ったとき、育休や子育てとキャリアに関するとらえ方は人それぞれでした。時間制約があって思うように研究ができず周囲との比較の中で悩んだ方もいれば、長い研究者人生を考えれば一時的な制約なのでその期間は欲張らずに肩の力を抜いていこうという方も。私自身、育児の真っ最中ですが、どちらのお考えにも納得するところがあります。いろいろな気持ちを抱きながら仕事と向き合う職員に対し、研究所としてワークとライフのどちらも高めていくことを命題に何ができるのか。社会情勢や所内の想いの両方を汲み取り、引き続き環境づくりに取り組んでいきます。

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