電力供給の効率化と安定供給の両立に向けて

近年、電力業界では市場原理を活用し、電力供給の効率化を図ろうとする電力の自由化や電力システムの改革が進められています。しかし、電力システム改革を進めていくためには、それが国民生活や経済活動にどのような影響を与えるのかを、適切に分析・評価していくことが必要です。そこで、社会経済研究所では、電力自由化や電力システム改革の影響に関して多面的な調査・研究を行っています。たとえば、電力自由化により電気料金は低下するのか、電力の安定供給を維持するためにどのような仕組みが必要か、離島や山間地などの地方で競争が進まず需要家が不利益を被ることはないのか、といったテーマに対し、さまざまな角度から検証を重ね、報告書にまとめ、発表しています。電力システム改革に関する調査・研究では国内でも最先端との評価を得ています。

固定価格買取制度(FIT※)

2012年7月から実施されている再生可能エネルギーの固定価格買取制度。これは政府が電力会社に対して、再エネを20年間等の長期に優遇した「固定価格」で買い取ることを義務づけ、その費用を電気料金に上乗せする制度です。安定した買い取りを保障することで再エネ普及を促す一方で、政府が適切な買取価格を設定できなければ国民負担が膨らみます。そこで、社会経済研究所では、買取価格の検証や、できるだけ少ない費用で多くの再エネを導入するという効率性の観点から、再エネ普及政策の評価と提案を行っております。研究成果に基づく制度改善提案は、電力会社や産業界のみならず、広く社会に発信されています。

月刊『Wedge』2015年8月版掲載記事

※FIT=Feed-in Tariff

省エネ・節電の実態とその定着に向けて

環境保護・資源の有効活用という観点から省エネや節電は継続的に進めていかなければなりませんが、より効率的で、快適性を損なわない省エネ・節電を定着させていくためには、現場の実態を把握することが不可欠です。社会経済研究所では東日本大震災後の節電意識や省エネ活動の推移を分析するなどして、調査結果に基づいた省エネ促進策に関する提言を行っています。他部門や外部機関とも連携しながら、関連制度の改善やスマートメータデータを用いた省エネ情報提供の発展などにつながるように、電力会社や社会に成果を発信しています。

社会経済研究所

我が国の社会経済の再生と、安定した国民生活を支える電力インフラの再構築を目指し、社会科学、工学、心理学、政策科学など幅広い分野の専門家が研究チームを組み、電気事業を巡る様々な経営課題に対して、多面的かつ総合的な解決策をタイムリーに提言しています。